以前から気になっていた映画 PERFECT DAYS を観てきました。
今のところ山口県内では下関のシネマサンシャインでのみ上映されています。
それも朝イチの1本のみ上映、朝から下関は遠いし正直しんどい。
しかし、早起きして観る価値のある映画でした。
公衆トイレの清掃を生業とする平山さん(役所広司)の日常を描いた作品。
基本的に、トイレ掃除→仕事終わりの銭湯→一杯ひっかけながら晩酌→読書して寝る、の繰り返し。
竹ぼうきの音で目覚め、布団をキレイにたたみ、顔を洗ってツナギに着替える。
玄関を出て空を見上げる、自販機で缶コーヒーを買い、軽自動車のカセットデッキで音楽をかける。
仕事までの道中でスカイツリーを見上げる、毎朝繰り返されるルーティン。
平山さんは寡黙でセリフがほとんどない、表情と所作だけで訴えかけてくる。
黙々と仕事をこなし、淡々と日常が巡る、孤独だが悲壮感はない、毎日は充実しているように見える。
私がこの映画に興味を持ったのはまさにそこだった。
中年にさしかかり、名状しがたい漠然とした不安や孤独感を感じるようになった。
人生の孤独に耐えうる強さを、この映画が与えてくれるような気がした。
終盤、平山さんが涙を流すシーンが2回ある。
製作陣はあえて観客に想像の余地を残すように作ったのではないだろうか。
おそらく観る人によってそれぞれ解釈が異なると思う。
平山さんの涙の意味、幸せとは何かを考えることがこの映画の本質かもしれない。
パンフレットは非常に出来が良いです、コメンタリーや劇伴の情報などがびっしり載っています。
タカシ風に言うと10のうち10、映画が心に響いたなら購入をおすすめします。
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