カテゴリー: 読書
10月14日から15日にかけて開催された、今年2度目のプライムデー。プライム感謝祭という名称では、国内で初めてのセールかもしれません。 最近のAmazonは常に何かしらキャンペーンやセールが行われているので、あまり有難みはないかも。ほしい物リストに入れていてもポイントアップがあったらプライムデーを待たずに買っちゃいますしね。とは言え、ほしい物リストには常に何かしら入っているので…
春頃から読んでいた1Q84(文庫版全6冊)を読み終えたので、感想を書いておこうと思う。 まず、とてもキレイに終わったということが意外だった。 物語は常に不穏な空気が漂っていて、主人公のふたりは禄でもない最期を迎えるという予感があった。結果、ふたりの背負ってきた数々の業は、ある人物がひとりで全て引き受けてくれた。そのために配置されたキャラクターだとすると、あまりにも救いがない気も…
アカデミー賞の数日前に、映画「ドライブ・マイ・カー」をプライムビデオで観賞した。 「喪失」がテーマになっていて、妻を失った男性の悲哀が描かれている。映像作品だけど、とても文学的というか、村上春樹らしさにあふれる映画だった。不思議な余韻の残る作品で、3時間の間に何度か涙が出た。 岡田将生氏はすごい俳優になったと思う。2年前にNHKの「タリオ 復讐代行の2人」というドラマを観ていて…
「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの作者である荒木飛呂彦先生のホラー映画評論本。読んでいて色々なことを思い出したので、感じたことを書いておこうと思う。 ホラー映画を観ることは世界の醜い面、人間の暗黒面、絶望、恐怖、死に向き合うための予行演習。恐怖を相対化できるようになればホラー映画をフィクションとして楽しむことのカタルシスを教えてくれる。 昔は週末のゴールデンタイムに毎週のように…
自分の中で密かな紀行本ブームが到来していて、暇があると面白そうな本を探している。 お笑いコンビ・オードリーのツッコミ担当、若林正恭さんのキューバ旅行記。新自由主義の日本に嫌気がさし、異なるシステムの国、社会主義国のキューバに行ってみた、というお話。アラフォー独身男性(当時)の非日常を満喫するお気楽な一人旅、かと思いきや・・・。 学生時代にバイトしていた飲み屋(女の子の接客がない…
緊急事態宣言下で2度目のGW、自粛ムードの中で遠出する気も起きず、久しぶりに読書。 今回選んだのは村上春樹氏の旅行記、海外(辺境)と国内(近境)の旅が交互に綴られています。海外の話は興味深いが内容がハード、「旅行とはトラブルのショーケースである」と氏も述べられている。交互に出てくる国内旅行の話が息抜きに丁度良く、ちょっとした休憩ポイントになっている。 中でも、うどんを食べるため…
今年の夏、たまたま本屋で手に取った深夜特急の新装版。最終巻を読み終えたのでインプレッションを書き残しておきます。 香港から始まったユーラシア大陸横断の旅もようやく終わりを迎えた。東南アジア、インド、ネパール、中東、トルコ、地中海、そしてヨーロッパの西の端へ。 読み終えて心地良い疲労感を覚えた、沢木耕太郎と共に、読者である自分もまた空想の旅をしていたのだ。深夜特急は倹約の旅で、日…
深夜特急の5巻を読み終えました。 トルコとギリシャの旅、ついにアジアを越えてヨーロッパへ足を踏み入れる。シルクロードの横断から旅の疲れが見え始め、当初の熱量を失いかけているように感じられた。香港に降り立った時のような興奮はなく、旅慣れてきたせいか好奇心も薄れかけている。 トルコではメッセンジャーとしての役目が待っていた。どうやら放浪の旅にも推進力となる1つの目的があったようだ。…
深夜特急の4巻を読み終えました。 デリーを出発し、パキスタン、アフガニスタン、イラン、と中東を横断する旅。3巻の最後が病に伏せて暗転して終了、みたいな感じだったので、その後が気になっていました。インドの底なしの退廃の中で、旅の目的を見失いかけているようにも見受けられた。 おんぼろの長距離バスを乗り継いでの移動は過酷ながらも楽しげだった。もしかすると、このバスの旅こそが作品名にも…
四畳半神話大系の森見登美彦氏の短篇集。 深夜特急の3巻を読み終えた頃、少し趣きを変えてみたいと思い、本屋に足を運んだ。四畳半神話大系の横に収まっていた本作を手に取って巻頭を読んでみると、なかなか面白そうな内容だった。近代文学の文豪たちの名作を、森見氏が現代風に置き換え、アレンジして書き直すというものだ。 元になっている作品は5つ。 ・山月記(中島敦)・藪の中(芥川龍之介)・走れ…