小島監督の著書「創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち」で一番最初に紹介されていた小説。
“史上最強のハードSFであり本格推理小説と法廷ミステリーの魅力まで兼ね備えた傑作”と評されている。
とにかくもうベタ褒め、SF小説とか全くの門外漢だけど一度読んでみたくなった。
あらすじ(裏表紙より一部抜粋)
“月面で発見された深紅の宇宙服をまとった死体。だが綿密な調査の結果、驚くべき事実が判明する。死体はどの月面基地の所属でもなければ、ましてやこの世界の住人でもなかった。彼は五万年前に死亡していたのだ!”
たしかに、もう導入部からして面白そうである。
物語の舞台は2029年で人類は木星まで航行できる技術を持っている(原作が出版されたのは1977年)。
SFのバックボーンを土台にして、謎が謎を呼ぶ展開で推理小説として引き込まれた。
死体(チャーリー)の正体を究明するべく、淡々と論理的に話が進んでゆく。
ダンチェッカーというマッド・サイエンティスト風の人物が主人公と一緒に謎を解く。
彼は喋りだしたら止まらない男で2回に渡って大演説するのですが、特に終盤は圧巻だった。
大団円に水を差す無神経かと思ったら人類への激励だったという、実は情に厚い男だったのね。
読了に1か月かかったけど、これは読みごたえがあって面白かった。
そしてダンチェッカーのようなロジカルな思考に憧れる。
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