緊急事態宣言下で2度目のGW、自粛ムードの中で遠出する気も起きず、久しぶりに読書。
今回選んだのは村上春樹氏の旅行記、海外(辺境)と国内(近境)の旅が交互に綴られています。
海外の話は興味深いが内容がハード、「旅行とはトラブルのショーケースである」と氏も述べられている。
交互に出てくる国内旅行の話が息抜きに丁度良く、ちょっとした休憩ポイントになっている。
中でも、うどんを食べるためだけに香川県に行った話はお気楽で非常に楽しめた。
外出自粛の呼びかけがなければ、連休を利用して金刀比羅宮を参拝しようかと思っていたのです。
今回の計画は頓挫してしまったけど、いつか本場の讃岐うどんを食べに行く時は本書を参考にしたい。
昨年、「深夜特急」で初めて紀行本に触れたのだけど、このジャンルは今の時代に合っているように思う。
コロナで人の移動が制限されて、正常化の道筋も見えない、しかし本で旅行を疑似体験できる。
現実がフィクションを超越してしまったから、本能的にノンフィクションを求めているのかもしれない。
村上春樹という作家について、これまではほぼ、氏の小説しか読んでいなかった。
旅のエッセイを通じて、本音や素顔に近いものを読めたことはとても有意義だった。
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