自分の中で密かな紀行本ブームが到来していて、暇があると面白そうな本を探している。
お笑いコンビ・オードリーのツッコミ担当、若林正恭さんのキューバ旅行記。
新自由主義の日本に嫌気がさし、異なるシステムの国、社会主義国のキューバに行ってみた、というお話。
アラフォー独身男性(当時)の非日常を満喫するお気楽な一人旅、かと思いきや・・・。
学生時代にバイトしていた飲み屋(女の子の接客がないところ)に中南米の船乗りさんが出入りしていた。
夏はラテン系の音楽をガンガンかけてパーティが開かれ、コロナビールにライムを差した人々が踊っていた。
私はへべれけに酔っぱらいながらチケットをもぎり、マスターはノリノリでDJしていた。
なので、なんとなくラテン系の人々の明るさ、陽気さは馴染みがある。
よくある芸能人のエッセイ本かと思っていた(失礼ながら)が、良い意味で裏切られた。
若林正恭、すかした奴だと思いきや意外と熱く語る、同世代として、考え方にとても共感できる。
勝ち負けの届かない”血の通った関係と没頭”、図太く生きていくためには自分だけの世界が必要なのだ。
あとがきで後日談が書かれているが、特性上、コロナ後の所感が書かれた紀行本は珍しい。
私はコロナ後は電化製品にあまり執着しなくなった気がする、かわりに本や漫画を好きなだけ読んでいる。
これはやはり、お金の使い道がモノからコトへ移行しているということなのかもしれない。
週末に、コーヒーと煙草を持ってきて縁側でごろごろ読書していると、至福の時を感じる。
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