深夜特急の5巻を読み終えました。
トルコとギリシャの旅、ついにアジアを越えてヨーロッパへ足を踏み入れる。
シルクロードの横断から旅の疲れが見え始め、当初の熱量を失いかけているように感じられた。
香港に降り立った時のような興奮はなく、旅慣れてきたせいか好奇心も薄れかけている。
トルコではメッセンジャーとしての役目が待っていた。
どうやら放浪の旅にも推進力となる1つの目的があったようだ。
“帰り”を決めていない旅人は「漂泊者」と呼ばれるらしい。
ロンドンというゴール地点はあるものの、いついつまでという期限は定めていない。
旅の終わりがあるとすれば所持金が尽きるまでだろうか、あるいは旅先での死か。
深夜特急はとにかく倹約の旅で、移動手段、ホテル、食事、あらゆることに”安さ”を求めている。
しかし、お金がない方が逆においしい物にありつけたり、人の親切に触れられることが多いようだ。
漂泊の旅でも、最終的に帰結するのは「人」なのかもしれない。
最終巻はすでに手元にあるのだけど、深夜特急の旅が終わってしまうことが寂しい。
最期はゆっくり時間をかけて、読むべき時が来るのを待ちたい。