深夜特急の2巻を読み終えました。
香港から離れ、タイ、マレーシア、シンガポール、と東南アジアを縦断する旅。
行く先々で出会う人々の、その街の暮らしの情景が臨場感を持って伝わってくる。
食事の描写がうまそうで食欲をそそる、”おいしくて安いもの”を探し出す努力をしているのが分かる。
しかし、出発地点であるはずのデリーにはまだ到着していない、著者はどれほど自由人なのだろうか。
2巻では自身の旅立ちについて、社会的責任からの執行猶予であると述べられている。
未来が固定されることを拒絶し、回避するために旅に出たというのだ。
オトナであれば、誰しも同じ気持ちになったことがあると思う。
人間にはモラトリアム、つまり自分が何者かになる前の準備期間が必要なのだ。
それにしても、猶予期間に世界を旅して廻ることを選んだ思い切りには憧れる。
紀行本というものは面白いジャンルだと思う、延々と、ずっと読んでいられそうな気がする。