読書の話、コンビニ人間に続き芥川賞受賞作のスクラップ・アンド・ビルドを読む。
著者の羽田さんはタレントとしてTVに出演することも多く、どんな作品を書くのか気になっていました。
「じいちゃんなんか早う死んだらよか」毎日のようにぼやく要介護老人の祖父。
そんな祖父の願いを叶えるべく、孫の健人は徐々に尊厳死の計画を練り上げていく。
一見孝行孫のようだが、倫理観に問題がありそうな人物である。
主人公の健人に著者の羽田さんがずっとオーバーラップしていました。
おそらくとても合理的な考えを持つ人で、自身の性格を投影しているのではないかと。
筋トレの場面とか、鶏ハムしか食べないストイックな食生活らしいので主人公と重なった。
介護が主題に見えるけど、実は主人公の再就職こそがメインテーマだったのかな。
自分より弱い人間に介護を通して接することで自信を取り戻してゆく物語。
読み終えてそんなことを思った。